【日本版DBS】こども家庭庁へいつ何を定期報告するの?



「日本版DBS」制度では、犯罪事実確認(性犯罪歴の照会)を行うだけでなく、その運用状況を正しく記録し、国へ報告する義務があります。これは制度の形骸化を防ぎ、こどもたちの安全を継続的に担保するための仕組みです。今回は、実務上非常に重要な「帳簿」と「定期報告」のポイントを整理しました。

目次

帳簿の備付けと保存義務

事業者は、犯罪事実確認の実施状況を正確に把握するため、法令に基づいた「帳簿」を作成しなければなりません。

帳簿に記載すべき内容

帳簿には、主に以下の事項を記載する必要があります。

  • 対象業務従事者の一覧(離職者や、まだ確認が終わっていない現職者を含む)。
  • 個人の確認状況: 従事開始日、犯罪事実確認の期限、確認書を受領した日、確認日など。
  • 特例の適用記録: 「いとま特例」を適用して従事開始後に確認を行った場合、その理由(やむを得ない事情)や講じた措置の内容。

保存期間と作成方法

  • 保存期間: 帳簿は毎年度作成し、作成した日の翌日から起算して5年間(年度末まで)保存する義務があります。
  • デジタル管理の推奨: 事務負担軽減のため、原則として「こども性暴力防止法関連システム」を通じて作成・保存することとなっており、システムを利用すれば記載事項の大部分が自動的に記録されます。

定期報告の内容

犯罪事実確認(DBS照会)の実施状況

年に1回、こども家庭庁に対して、犯罪事実確認が適切に行われているかを報告しなければなりません。
主な報告事項  報告対象期間(前回の報告から今回の報告まで)における以下の状況を報告します。

  • 全対象者の概況: 基準日時点での在職・離職の状況、対象業務への従事の有無。
  • 確認の進捗: 期限内に確認が完了しているか、交付された確認書の番号や日付。
  • 特定性犯罪事実の有無: 確認の結果、前科があった者の数と、それに対する措置(対象業務に従事させていないことの確認)。
  • 特例の利用実績: 「いとま特例」を何人に適用し、どのような安全確保措置を講じたか。

安全確保措置と情報管理の実施状況

特に認定事業者(学習塾やスポーツクラブなど)は、照会結果だけでなく、日頃の「防犯体制」についても詳しく報告する義務があります。

安全確保措置の報告(チェックボックス形式)

  • 早期把握・相談: 児童等への日常観察やアンケートの実施、相談窓口の周知状況。
  • 研修: 全ての対象従事者が、法令で定められた研修(座学・演習)を受講しているか。
  • 事案対応の有無: 期間中に性暴力の疑いや「不適切な行為」が発生したか、発生した場合は適切な調査や保護・支援を行ったか。

情報管理措置の報告

  • 機微情報の守秘: 犯罪事実確認記録を適切に管理しているか、責任者の設置や情報管理規程の遵守状況。
  • 物理的・技術的対策: パソコンのセキュリティ対策や、情報の持ち出し・廃棄がルール通り行われているか。

報告の期限・方法と、義務違反へのペナルティ

定期報告は、対象となる事業者の区分によって期限が異なるため注意が必要です。

報告のスケジュール

  • 学校・保育所等(義務対象事業者): 毎年1回、4月末日を基準日として、5月末日までに報告します(※令和10年度より開始)。
  • 認定民間事業者等: 認定を受けた日から1年ごとに、認定記念日の前日までに報告します。

提出方法と罰則

  • オンライン報告: 原則として「こども性暴力防止法関連システム」上で行います。
  • 厳しい罰則: 帳簿を備えなかったり、虚偽の記載をしたり、定期報告を怠ったりした場合には、50万円以下の罰金に処される可能性があります。また、認定事業者の場合は認定取り消しの対象にもなり得ます。

田畑

定期報告は単なる事務作業ではなく、事業者様が「こどもにとって安全な場所である」ことを国に証明する大切な手続です。

システムによる自動化が進む予定ですが、日々の帳簿管理を怠ると、年度末の報告時に大きな負担となります。規程の整備や日々の記録方法などをしっかり決めて運用していくことが大切です。

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