いよいよ令和8年12月に迫った「こども性暴力防止法(日本版DBS)」の施行。
多くの経営者様が「スタッフの犯罪歴をどう調べるか」に関心を持たれていますが、実務においてそれ以上に重要なのが、国による「立ち入り検査」や「行政命令」への対策です。今日はどのように気を付けるべきか解説します。
国と自治体からの監督
この制度において、事業者は単に犯歴をチェックするだけでなく、その「運用実態」を国に報告し、常に監視される立場となります。
こども家庭庁と所轄庁による「二段構え」の監視
監督を行うのは「こども家庭庁」だけではありません。犯罪事実確認(照会)や情報管理についてはこども家庭庁が監督しますが、研修や相談体制などの安全確保措置については、各自治体などが監督を担います。両機関は情報を密に共有しており、一方の検査で不備が見つかれば、もう一方の機関からも調査が入る連動体制となっています。
「定期報告」が監督の入り口になる
事業者は年に一度、照会の実施状況や安全確保措置の運用状況を報告する義務があります。 ここで注意すべきは、「不自然なデータ」は即座に警告の対象になる点です。例えば、全従業員数に対して照会件数が極端に少なかったり、いとま特例を多用していたりする場合、重点的な調査対象としてリストアップされる可能性があります。
「立入検査」と「報告徴収」
法令遵守を確実にするため、行政には事業所へ直接乗り込み、実態を暴く権限が与えられています。非常に強い権限です。

行政が持つ「調査権限」の範囲
こども家庭庁は、必要な限度において事業者に対し、報告や資料提出を求めたり(報告徴収)、職員を施設に立ち入らせて帳簿や書類を検査したり、関係者に質問したりすることができます。これは、事前の予告なく行われる可能性も否定できません。
検査の拒否・妨害に対する罰則
もし、報告を怠ったり、虚偽の報告をしたり、あるいは立入検査を拒否・妨害・回避した場合には、50万円以下の罰金に処される可能性があります。 ここで重要なのは「両罰規定」です。実際に検査を拒んだ担当者だけでなく、法人そのものに対しても罰金刑が科されるため、会社としての社会的信用に傷がつくことは避けられません。
「適合命令」と「是正命令」
立入検査の結果、体制に不備が見つかれば、国から改善を促す強力な「命令」が出されます。こちらはお願いベースの行政指導とは違い、非常に強い強制力を持ちます。
こちらの命令には2種類あります。
〇適合命令:相談窓口が機能していない、必要な研修が行われていないなど、認定基準に適合しなくなった場合に出されます。
〇是正命令:犯罪事実確認記録(犯歴情報)の漏えいが生じるなど、情報管理措置に違反している場合に出されます。
命令違反の代償:照会手続の中止と認定取消し
これらの命令に従わない間、国は新たな「犯罪事実確認書」の交付を停止します。これは新しいスタッフを一切採用できなくなることを意味し、現場の運営は事実上ストップしてしまいます。 さらに命令に従い続けなければ、最終的には認定の取消しという最も重い処分が下されます。

経営への致命傷:逃れられない「社会的制裁」と実務上のリスク管理
法律上の罰則以上に恐ろしいのが、インターネット等による情報の公表です。
「事業所名」や「法人名」の公表による社会的信用の失墜
犯罪事実確認義務に違反した事業者は、名称、所在地、違反内容、対象となった従事者数までがこども家庭庁のウェブサイトで公表されます。 「こどもの安全を軽視する事業者」という情報がネット上に載れば、保護者の不信感は一気に広まり、入会キャンセルや退職者の続出など、経営に致命的な打撃を与える可能性もあります。

今すぐ取り組むべき「守り」の体制
施行日(令和8年12月25日)以降、いつ立入検査が来ても良いように、以下の準備を整えておくことが不可欠です。
- 正確な「帳簿」の自動生成管理:システムのログに基づき、誰がいつ確認したかを即座に出せる体制。
- 情報管理規程の策定と周知:形だけでなく、全職員がルールを理解している実態。
- 研修実施の記録保持:誰がいつ受講したかの証明書やリストの保管。

田畑日本版DBSへの対応は、単なる「事務作業」で終わりではなく、事業所の「コンプライアンス(法令遵守)に対する真摯な取り組み」が問われます。
当事務所では規程の整備や、従業員研修のサポートを通じて、経営者様の不安を解消するお手伝いをいたします。
施行に向けた準備に、ぜひ行政書士の知見をご活用ください。
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