事業者従業員の前科照会したら前科ありだった!解雇だ~!!



ちょっとまってください!解雇って簡単にはできないんです!
「こどもの安全を守る」という大原則がある一方で、従業員の「働く権利」も労働法によって強く守られています。安易な対応は、不当解雇や公序良俗違反として訴訟リスクを招きかねません。本記事では、特定性犯罪前科が確認された場合の法的対応について、実務のポイントを解説します。
配置転換の有効性と「3つのリスク要因」の遮断
特定性犯罪前科があることが判明した際、まずその従業員をこどもと接しない業務へ配置転換しなければいけません。ガイドライン案では、こどもに対する性暴力が発生しやすい状況として、以下の3つのリスク要因が挙げられています。
支配性
師弟関係や指導的立場など、抗いにくい関係性
継続性
定期的に会う、長期間関わるという関係性
閉鎖性
密室や死角など、周囲の目が届かない状況
配置転換を行う際は、単に部署を変えるだけではだめなんです。これら3つの要因を完全に排除できる仕事に移動させなければいけません。「事務職への変更」や「対面機会のないバックオフィス業務」への異動を命じる際、その正当性を裏付けるため具体的な業務フローの見直しも必要です。例えば、事務職であってもこどもの送迎も兼ねる場合は閉鎖性を排除できていませんので対策が不十分とみなされます。


「解雇」のハードルは高い?労働契約法との整合性
配置転換が困難な場合、あるいは従業員が異動を拒否した場合、次に検討されるのが「解雇」です。しかし、日本の労働法制度において、過去の犯罪歴(特に採用前に告知義務がなかったもの)を理由とした解雇は、非常にハードルが高いのが現実です。
- 懲戒解雇: 過去の前科を隠して採用された(経歴詐称)場合でも、その内容が現在の業務に直結し、企業の秩序を著しく乱すと認められない限り、無効とされるリスクがあります。
- 普通解雇: 職種限定契約(例:保育士としてのみ採用)の場合、配置転換先がないことを理由に解雇を検討できますが、客観的・合理的な理由と社会通念上の相当性が厳格に問われます。
「法律(日本版DBS)で決まっているから即解雇」とはいきません。個別の事情に応じた慎重なプロセスが必要です。
今すぐ着手すべき「就業規則」の事前改定
日本版DBSが本格施行される前に、必ず実施しておくべきが就業規則のアップデートです。法的な根拠なく性犯罪歴を理由に不利益な扱いをすることはできません。
採用時の告知義務
採用選考時に「特定性犯罪前科の有無」を確認する規定を設ける。
就業制限規定
特定性犯罪前科が判明した場合、こどもに対面する業務から外す(配置転換)ことや、それに伴う処遇の変更について明文化する。
解雇事由の明確化
経歴詐称や、法律に基づく就業制限措置が取れない場合の退職・解雇規定を整備する。
これらを事前に規定しておくことで、「予測可能性」が担保され、トラブル発生時の企業の法的防衛力が高まります。


日本版DBSの導入は、こどもたちの安全を守るための大きな一歩ですが、経営者にとっては新たな労務管理の課題を突きつけるものでもあります。
前科が判明した際の対応は、「支配性・継続性・閉鎖性」の排除を基準とした配置転換を優先し、解雇については最新のガイドラインと判例を照らし合わせる必要があります。まずは自社の就業規則が「こども性暴力防止法」に対応できる内容になっているか、専門家と共に点検することをお勧めします。



行政書士からのアドバイス
「こどもの安全」と「従業員の権利」のバランスをとることは非常むつかしい課題です。当事務所では社会保険労務士と連携して日本版DBSに準拠した就業規則の作成・変更のお手伝いや、実務におけるリスク管理のコンサルティングも行っております。制度開始に向けた準備に不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
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